適正配置の名の下、公共施設の統廃合が始まっています。
子どもの施設も例外ではありません。昨年度末で閉館したみどり児童センターに続いて、今年度末で西原児童館の閉館が予定されています。
12月議会には、この西原児童館の廃止を含む児童館条例の一部改正の議案が上程され、文教厚生委員会で審査されました。
執行部からの提案理由の説明は、
1.西原児童館・西原学童クラブは公共施設の適正配置の考えのもと、近隣施設の状況や利用率に鑑み今年度末で廃止。児童館は西原北児童館へ、学童はけやき・けやき第二学童へ統合。
2.泉小学校の統合により、泉学童は住吉・本町・北原・谷戸・谷戸第二へ統合。
3.谷戸学童の在籍児童数が年々増加していることから教育委員会の協力を得て谷戸第二小学校内の1教室に新たに谷戸第二学童クラブを設置
廃止・開設については保護者等に説明会を開催した との内容。
文教厚生委員会は9人で構成されている。正副委員長は質問しづらい立場。とは言え、制限されている訳ではないので委員の質疑が及んでいないことについては当然質疑ができる。にもかかわらず、この議案で質疑を行ったのは保谷清子委員(共産)と大林光昭委員(公明)の2人だけ!
西原学童へ通うしょうがい児への対応や泉学童の廃止にあたっての統合先学童への影響、説明会での保護者の声、統廃合によるサービスの拡充、学童クラブの統廃合の考え方について質疑が行われ、厳しい意見も述べられたが結果的には全員賛成で可決された。
定員超過が何年も続いた谷戸学童の分割増設は保育の質の観点からも喜ばしいことだけど、「教育委員会の協力を得て」という説明がひっかかる。子ども子育て支援新制度で学童保育の充実が法に位置付けられ、施設の増設には教育委員会との連携も謳われたというのに、わざわざ「協力を得て」って説明するんだ・・・。そもそも、もっと早く開設できる状況にあったはずなのに。
泉学童の廃止については、住吉学童も本町学童(保谷小内)も現に定員超過状態なのに、「現状では、それぞれの学童の中で対応できるという判断」との答弁。確かに平均登所率で見ればそうかもしれないが、平均登所率を上回る子ども達が登所する日の安全性や質の確保をどう考えているのか??
また、西原児童館の廃止に至っては、閉館後の活用についての東京都との協議内容について誰も触れずに質疑が終結された。
事前に確認したところ、都と幾つかの想定を協議中だが、説明できるところまで調整が整っていないとのことだった。恐らく文教厚生委員も同様の説明を聞いていることが推察される。
担当課もかつては「児童館を閉館しても、子どもの施設として使い続けたい」との意向が語られていたし、利用者保護者や地域住民からも子どもの居場所として使えるようにしてほしいとの声もある。にもかかわらず、現状の確認すらなされないまま全員が議案に賛成って・・・。
昨年度末のみどり児童センターの廃止の際には、施設内に学童が残るということがあったからかもしれないが、児童センター廃止後も出前児童館を実施することが廃止の条例審査で議論されていたと記憶している。今回の西原児童館廃止にあたっては、全くのカラ手形である。
谷戸第二学童の開設は待望のことで大賛成だが、泉学童と西原児童館については到底賛成できない!
というわけで、ここで書いた内容で討論し、西原児童館の廃止については議案提案自体が時期尚早との理由で議案に反対しました。
それにしても、学童の分割増設はこれからも必要なのは必至。でも、場所の確保は容易なことではない。児童館も含め、学童の子だけでない どんな家庭で育つ子どもにとっても必要な居場所を地域でどう用意していくのか、知恵の絞りどころのはず。なにより、子どもたち自身がどう思うのか、子どものことは子どもに聴け!と思わずにはいられません。